障害年金の遡求請求の条件・注意点について【受給事例も紹介】
こんにちは、関口社会保険労務士事務所の代表、社会保険労務士の関口俊也です。
障害年金の存在を知らず申請できていなかった方は、過去に遡って申請が可能な場合があります。このような請求方法を「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」と呼びます。
遡及請求とはどのような申請方法なのか・どのような場合該当するのかこちらの記事で解説致します。
目次
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1.遡及請求とは
障害年金における通常の請求方法は「認定日請求」です。こちらの図をご覧ください。
ただし、障害年金の存在を知らずに認定日から時間が経ってしまった場合はその分遡って請求できます。
具体的には障害認定日と障害年金の請求日が1年以上離れている場合です。この場合は請求日の直近の診断書が必要になります。
遡ることができる期間は最大5年です。
2.遡及請求ができる条件
遡及請求は3つ条件があります。ご自身に当てはまるかご確認ください。
①初診日から1年6か月経過をした障害認定日から3か月以内に病院を受診しているかつ当時のカルテが残っている
②認定日時点で一定の障害状態にある
③保険料納付要件を満たしていること
②・③について詳細はこちらをご覧ください
3.当事務所の遡及請求事例
当事務所でサポートをした遡及請求の事例をご紹介します。
自閉スペクトラム症・注意欠陥多動性障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
相談者:女性(20代)
傷病名:自閉スペクトラム症・注意欠陥多動性障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
遡及額:約58万円 支給月から更新月までの総支給額:約240万円
相談者:男性(40代)
傷病名:両網膜色素変性症
決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級
遡及額:約1,200万円 年金支給額:約220万円(加算分を含む)
4.遡及請求の注意点
前述の通り、遡及請求には条件がございます。すべての方遡及請求が可能というわけではございませんのでお気を付けください。
また、遡及請求で遡れる期間は最大5年前までですのでお早めの申請をおすすめします。
5.遡及請求の成功率
遡及請求の成功率について、はっきりと申し上げることはできません。
ただ、傷病によって成功率の高さが変わることはあります。
成功率が比較的高い傷病
人口関節や脳梗塞、ペースメーカーなどの傷病は、いつ症状が固定したか証明する「障害認定日」が認められやすいため遡及請求が成功しやすい傾向があります。
成功率が比較的低い傷病
糖尿病など病状が徐々に進行する傷病は、障害認定日を証明しづらいため、遡及請求が難しい場合があります。
6.最後に
ここまでご覧を頂き誠にありがとうございました。
当事務所では障害年金申請の代行を行っております。